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2020年3月11日 (水)

立ち臼作りを取材

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 3月10日、小鹿野町両神の大塩野に立ち臼作りを取材に行った。取材したのは大塩野の中沢武夫さん(81歳)で、あいにくの雨模様だったが快く対応してもらった。
 中沢さんの義父は秩父最後の木地師と言われた小椋弥市さんで、様々な思い出の品を見せてもらった。直径90センチもある小椋弥市作の木鉢が二台も残っており、その出来栄えに感動した。材は栃木で福島県から買ってきたものだったという。なんという巨大な栃木だったかと驚かされた。多分直径二メートルはあったのではないかと思われる。
 

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 義父の話や昔話がとても貴重な話ばかりだった。山仕事で生計を立ててきた中沢さんの話は、今では考えられない厳しい仕事の連続だった。大滝の原生林伐採の仕事では白石山の山中に建てた山小屋で生活しながらの仕事だった。年に二度しか下界に下りずに仕事だけをしていたという。冬は酒が凍り、腰までの雪に悩まされながらの仕事だった。
 大滝で森林火災があり、仕事ができなくなって下山。その後は山仕事とトラック配送の仕事を掛け持ちして睡眠3時間で仕事をこなした。健康で、体力・気力が充実していたから出来た仕事だ。
 

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 今は「中沢グリーン企画」という会社を運営して、主に武蔵丘陵・森林公園の仕事をしているのだが、仕事は社員に任せて、自分は悠々自適に楽しいことをやっているのだと言う。今の時期はもっぱら狩猟に勤しんでいる。昨日も四頭の鹿を獲ったそうで、冷凍庫いっぱいの肉を見せてくれた。
 立ち臼作りは道楽で始めたのだが、北海道や新潟から注文が入るのでそろそろ本格的に作ろうかと道具類を揃えたところだと言う。製作中の立ち臼はほぼ掘り終わって、仕上げ削りと外側の鉋掛けが残っている状態だった。
 

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 道具類が素晴らしかった。木地師専門の道具が揃っていた。ツボウチは内部を削る手打ちカンナ。ヒラウチは平らな面を手打ちで削るカンナ。ササガンナは長い柄で細い歯が湾曲しているカンナ。これで内側の仕上げ削りをするカンナだ。ヨキも三種類あった。短い絵で厚い刃のヨキは浅い場所を削るもの。長い刃のヨキは深い穴を掘るもの。それぞれに用途が違う。
 材料はケヤキ。乾燥させてあるのでヒビは入らない。堅いケヤキをどうやって彫るのか聞いたら、水を張って内側を柔らかくして彫るのだと言う。なるほどなあと感心した。
 

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 お昼を過ぎた頃に奥さんが「赤飯があるから食べていきない・・」と声をかけてくれた。ひ孫のお食い初め用に作った赤飯だそうで、茶碗に山盛りでいただいた。キャラブキやわさび漬けもいただき、お腹いっぱいになってしまった。
 今回は武夫さんの話を中心にまとめるが、次回は奥さんに木地師の話や父・小椋弥市の話を聞き、木地師の話をまとめたいと思う。楽しみな取材が続く。

 

 

 

 

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