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2019年1月

2019年1月30日 (水)

本が出来た

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 本日待ちに待った「秩父 山里の記憶・第6巻」が出来上がって送られて来た。心配していた色の上がりがとても良く、満足のゆく出来上がりだったのでほっとした。
 今回は校正の段階で心配なことが色々あったので、こうして出来上がった本を見ると感慨深いものがある。何より、表紙の色が明るくて良い。稲穂と新緑をイメージした若草色なのだが、本紙がマーメイドという色が濃くなる紙質なので心配していたのだが杞憂だった。とにかく良い出来上がりでよかった。
 
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 さて、これからサイン本作りが始まる。明日、出版社に行って150冊のサインを書かなければならない。これがすごく神経を使う作業なのでとても疲れる。字は下手だし、手が震えるし、失敗は出来ないという、あまり気が進まない作業なのだが、やらなければならない。
 明後日は自宅用の100冊にサインする。たぶんこの二日間でぐったり疲れる予定。
 その後はモデルさんへのお礼状と、本の贈呈分を送る作業が待っている。これもあれこれ気を使う作業だ。送料も自己負担なのでバカにならない。
 週明けには、秩父の私に本を注文してくれた皆さんに本を届けに行かなければならない。
 
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 いろいろやることは多いが、出来上がった満足感で充実した気分でいられることがありがたい。待っている人がいるということは贅沢な事だと思う。また、多くのモデルさんに本が間に合った事も素直に喜びたい。35人の人生を、一部であろうとこういう形で残せたことに満足している。
 
 モデルさん、協力してくれた皆さん、応援してくれる皆さん、出版社、全てに感謝したい。
 ありがとうございました。
 
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2019年1月24日 (木)

秩父メープルの取材

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 1月23日、秩父の大滝に秩父メープルの取材に行った。取材したのは黒澤保夫さん(70歳)で、カエデ樹液の採取方法を見せていただき、樹液利用の林業について話を伺った。
 保夫さんは秩父メープルの原料となる樹液を生産する「秩父樹液生産協同組合」の副理事長で、会員の力を結集して秩父メープルシロップの原料となる樹液を採取している。
 
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 秩父には21種類のカエデが自生しており、全国でも有数のカエデ自生地だ。そのカエデから取れる樹液でシロップを作り加工製品にするという活動が活発になり、大きな注目を集めている。保夫さんによれば山の再生の柱であり、木を伐らない林業だという。
 秩父の山は針広混交林が本来の姿で、カエデなどの広葉樹を残し育てることが山の再生になる。カエデの樹液で定期的な利益を生むことが出来れば、新しい林業として山を生かすことにつながる。組合では樹液の採取だけでなくカエデの植樹などの活動もしている。
 
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 家で話を聞いた後で樹液採取の現場に向かう。現場は車で20分ほどの入川流域にあった。昔使った事のある「夕暮れキャンプ場」だった。保夫さんはこのキャンプ場のオーナーだった。車を降りて山を見わたすと、大きなイタヤカエデが山際に林立している。根元には樹液採取用の白いポリタンクが取り付けられている。イタヤカエデは11月末から、イロハモミジは12月から樹液が出るという。カエデ類の樹液採取のタンクはすでに取付が終わっていた。
 今日はこれから採取するというサワグルミに器具を取り付けてもらった。サワグルミの樹液からシロップが出来るとは知らなかったので驚いて聞くと「少し苦みがあるけどおいしいシロップが出来るよ」とのこと。サワグルミのシロップにはポリフェノールなどの有効成分が多く含まれているらしい。
 
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 保夫さんはまず電動ドリルで上向きに幹に穴を開ける。樹液が流れるのは幹の形成層なので、その深さで穴を止める。穴の太さは1.5センチ。深さは2センチくらいだろうとのこと。樹液が出る位置は木の太さや種類や向きによって違う。保夫さんはやっていれば経験でわかるという。穴にパイプ接続用のコックを埋め込む。このコックから樹液が出てくる。幹にロープを回し、タンクを吊り下げる。タンクのチューブをコックに差し込めば完成だ。
 このサワグルミからは約1週間で23リットル(タンク一杯)の樹液が採取できるという。
 
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 夕暮キャンプ場には前田夕暮の歌碑や山荘がある。山荘は荒れているが面影は残っている。この地に滞在して林業の傍ら歌を詠む生活はどんなものだったのか、考えると感慨深いものがある。入川の流れは昔と変わっているのだろうか…今は静かな山あいだが、昔は大勢の人が行き交う林業の現場だった。山荘前から広場を見おろしても当時の映像は浮かんでこない。山々に点々と白いポリタンクが見えるだけだ。
 
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 保夫さんの自宅に戻り、サワグルミのシロップとイタヤカエデのシロップを味見させていただいた。どちらも保夫さんがストーブで40分の1まで濃縮したものだ。サワグルミのシロップは甘いが舌に若干の苦みが残る。充分に美味しいと思ったのだが、次のイタヤカエデのシロップは衝撃的だった。何という香りと甘さ。軽い甘さは何に例えたら良いか…、和三盆の黒蜜に近いかもしれない。しかし、サラリとして芳醇な香りが残る点は他に例えようがない。秩父のカエデからこんな味が作れるのか…と本当にびっくりした。
 この味をどう伝えたらよいのか、正直なところ難しい宿題だ。
 
 
 
 

2019年1月18日 (金)

ひとぎ待ちをアップ

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 ホームページの山里の記憶コーナーに「ひとぎ待ち」をアップした。この取材でいうひとぎとは「しとぎ・粢」のこと。しとぎがなまってひとぎと言っているらしい。しとぎとはお米を生のまま粉にしてこねて食べるというもので、最も古い食べ方と言われている。神様の神饌としてお祭りの広がりとともに全国に伝播したものだという。
 
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 秩父の奥に当たる耕地に伝わるお祭りに「しとぎ」を作る風習が多く残っている。元々は幅広く行われていたようだが、徐々に消えて、わずかに残っているのが奥の耕地のお祭りになっているようだ。本文にも書いたが飯塚 好著「秩父山間の歴史民俗」という本に詳しく書いてある。また、吉田の民俗について書いてある竹内弥太郎著「続・秩父吉田地方の民俗散歩」という本にも「シトギ・神仏への供え物」として書かれている。
 
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 詳しい事は省くが、本に出てくる耕地名だけ拾うと以下のようになる。大滝の三峰・栃本・上中尾・大久保・三十場・強石・中双里・塩沢・滝の沢・浜平など。両神の滝前・譲沢・煤川・大谷・日向大谷・出原・太神楽など。小鹿野の河原沢・藤倉(倉尾)・倉尾の太田など。吉田の女形・小川・石間の沢口・中郷・半能・沢戸・太田部など。
 多くはお祭りにしとぎ(おしとぎ・おしとんぎ)を作って参拝者に配った。またはタテジと呼ばれた建て前の時にしとぎを作って配ったものだそうだ。
 文献にはこうして残っているが、実際に今残っているかどうかはわからない。両神・煤川のしとぎ待ちは今年からしとぎを作らず、買ってきたおせんべいで代用したそうだ。いずれ消えて行く風習なのかもしれないが、そう考えると今回の取材は貴重な取材だった。
 
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 ひとぎ待ちをすることで地域のコミュニケーションを取る。年の終わりにみんなが集まって四方山話をしながらお酒やお茶を飲む。豪華な料理に舌鼓を打ち、忘年会のような気分で明るい年末を迎える。新しい年への準備に気持ちを改める行事でもある。四方山話は貴重な情報交換であり、助け合いでもある。山間僻地の交流はこういう機会を作って行われる。
 貴重な体験をさせていただき、ごちそうに預かってしまった。素朴な信仰を絵に出来たことを喜びたい。
 
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2019年1月 4日 (金)

同級会と初詣

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 1月3日、秩父で中学の同級会があった。5年ぶりの同級会で、担任の坂本先生と同級生21人が参加した。65歳になった同級生は会った瞬間にあだ名で呼び合う中学生に戻る。よっちゃんがいてよう君がいていさおちゃんがいる。女子はみんな下の名前にちゃんがつく。私はずっと「かーぼー」と呼ばれていて、女子からは「かーぼーちゃん」と呼ばれる。
 5年ぶりの同級会はあっという間にあちこちに話の輪が出来る。とにかく話が弾んで、出された料理を食べることも忘れて話し込む。それぞれに話したいことがあり、あっという間に時間がすぎてゆく。先生が若いままなのが何だか不思議な気がした。
 
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 5年後にまた同級会をやろうという事になったが、その時は70歳。どれだけの人が集まれるだろうか。11時から始まった同級会は3時で終了し二次会に向かう。
 二次会はカラオケハウス。半分くらいの人が参加して楽しいカラオケとなった。次々に歌が回り、これまたあっという間に時間が過ぎる。気が付いたら夜の7時になっていた。
 同級生の車で送ってもらい実家に帰る。兄夫婦と四方山話をしてひと休みしてから寝た。
 
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 4日はゆっくり起きて、兄と墓参りに行った。お正月に墓参りはどうかとも思ったが、兄と山や畑の事などいろいろ話ながら墓掃除をするのも楽しい時間だった。
 暮れに描いた「八幡様の直会」の絵を届けに行く。飯田八幡神社はひっそりとしていたが、産土神でもあるので、初詣をした。お札売り場で破魔矢を求めたら、絵のモデルだった近藤須美子さんが出てきてびっくり。破魔矢を買って、その場で絵を渡し、見ていただいた。
 お礼にとお餅とあんぽ柿をいただき、恐縮しながら帰路についた。
 
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 このお正月は良い天気で良かった。特に寒くもなくおだやかな天気で秩父も暖かかった。家に帰れば校正と絵が待っている。正月気分も今日で終わり、明日からは忙しい日常になる。
 
 
 
 
 

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