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2018年7月

2018年7月31日 (火)

ホームリバーへ

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 7月30日、取材の予定が伸びて日が空いたので釣りに行ってきた。前回は渇水でチョロチョロだったホームリバーだが、台風の雨で平水の3割増しくらいに増水していた。徒渉するのが難しいくらいの水量に復活していた。朝8時に駐車場に着くと一台しか車が停まっていない。すぐに仕度して林道を歩く。歩き出すとすぐに汗が噴き出すが川を渡る風が涼しい。
 
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 増水した川はヤマメがよく出て遊んでくれた。大きな毛鉤を見てUターンする魚はいつものこと。何度「食え!へたくそ!」と心の中で叫んだことか。
 気分の良い釣りだった。猛暑がうそのように谷筋は涼しい。本当は曇ったり小雨の方がいいのだが、真っ青な青空と白い雲も悪くない。数をいっぱい釣りたいという想いは薄くなり、コンディションの良い魚を釣りたいという想いが大きい。その点では良かった。やはりヤマメ釣りは楽しい。
 
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 脱渓点で最後のキャストを繰り返していたら、どこからかチリンチリンと鈴の音がする。何だか嫌な感じが首筋に漂って、振り向いたら人がいた。下流から追いついた若いルアーマンの熊鈴の音だった。「ああビックリした…」と言うと笑いながら「釣れましたか?」と聞く。ここで上がるからと言うと嬉しそうに「そうですか、それじゃこれから頑張ります」と元気に上流に向かって行った。若い人にはまだまだこれからの時間だ。
 
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 3時半に脱渓。27センチのヤマメを頭に12尾のヤマメ・イワナに遊んでもらった。いや遊ばれた魚は数知れずだったかもしれない。釣れた魚より逃げられた魚の方が記憶に残るのはいつものこと。今日も三つほど忘れられない悔しい影がいる。「今度会ったら見てろよ」と捨て台詞を胸の中でつぶやく。この悔しい記憶が次の釣りにつながるのかもしれない。
 この川は両岸の木々が見事ですばらしい。奥まで来たのは久し振りだったので、林道の両側を堪能しながら歩く。一時間かけて車に戻った。
 やっぱりホームリバーはいい。
 
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2018年7月29日 (日)

絵を届ける

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 7月29日、台風一過の秩父へ絵を届けに行った。「よこぜ紅茶」の絵を芦ヶ久保の浅見文昭さん(78歳)に届けた。文昭さんは絵とファイルを喜んでくれ、じっくりと見てくれた。奥さんのノブエさんが自作の紅茶を入れてくれた。「べにふうき」という紅茶に一番良いと言われている品種だとのこと。前回の取材には出なかった話だったが、文昭さんによると「量が少なくて売り物にはしないんだぃね」とのこと。自宅用の特別な紅茶をお土産に2袋も頂いてしまった。
 
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 芦ヶ久保から吉田の石間まで走り、「布ぞうり」の絵を新井武男さん(93歳)に届けた。武男さんはさかんに恐縮して「こんなにしてもらって申し訳ねえこった…」と言ってくれたが、恐縮するのはこちらの方で、良い絵を描かせていただいたとお礼を言った。
 奥さんの朝子さんが「酢まんじゅうを作ったんで食べなぃ」とお茶と一緒に酢まんじゅうを出してくれた。昔から夏と言えば酢まんじゅうと相場が決まっていた。懐かしい夏の味を頂いた。甘い甘い地元のぶどうをお土産にいただいた。
 
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 前日の台風では奥秩父に大量の雨が降った。小鹿野町に避難準備情報が出されるほどだった。秩父市内を流れる荒川は川幅一杯に怖いような流れになっていて、昨夜の雨がどれだけのものだったかを教えてくれた。
 芦ヶ久保も石間も雨が降ったが心配するほどではなかったとのこと。狭い範囲に大量の雨が降る最近の傾向が顕著に出たようだ。合角(かっかく)ダムがどのくらい満水になっているかと見に行ったら、まだ半分くらい余裕があった。二瀬ダムが満水になって放流したと報道されていたのと比べて雨が少なかったことがわかった。
 
 台風のためか車が少なくて、日曜日としては考えられない快適なドライブだった。
 
 
 
 
 

2018年7月27日 (金)

気分転換の釣り

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 7月25日と26日の二日間、気分転換の釣りに行ってきた。猛暑の中でずっと絵を描いていて煮詰まってしまったので、思い切って出かけてきた。友人の釣り話を聞いているうちに釣りに行きたくなり、思いつくとそればかりが頭に浮かぶ状態になってしまった。とても釣りに向いている時期ではないのは解っていたがもう行くしかない。
 
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 那須の川と飯豊の川をはしごした。那須は猛暑・晴天・渇水の三重苦。飯豊は猛暑・晴天・渇水・アブの四重苦という惨憺たる釣りだった。
 那須の川はあまりの渇水にまったく別の川になってしまっていた。それでも魚は出てくれ、28センチと26センチのイワナが出たのは嬉しかった。魚は出るのだが毛鉤に気づいて引き返すのが多かった。ヤマメはやはり渇水状態では難しい。日向出ると汗が噴き出すので日影だけを伝い歩いた。川の中に入っていると足が冷たいので涼しかった。
 
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 早上がりして山形に向かう。走る事三時間、今日の宿は赤湯温泉。安い宿だったが、温泉も料理も良かった。少し熱めの温泉はサラリとしたほんのり硫黄の香るいい湯だった。赤湯とあったので温泉の色を期待したのだが無色の温泉だった。
 
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 米沢から飯豊に走る間の道が好きだ。田畑の中の農道なのだが、昔の置賜地方の名残があちこちに残っていて周囲を眺めながらゆっくり走る。古い家屋、鎮守の森、山あいの棚田などなど、上杉鷹山の時代を連想させてくれるのが嬉しい。
 釣り券を民宿で買うとおばちゃんが「どこもだめだねえ、本流がいいよ」と言ってくれたが、入る沢は決めている。沢に着くと林道工事中立ち入り禁止の看板、いやな予感がした。車を停めるといきなりアブが襲来。外に出られないので、車の中で着換えて意を決して外に出る。それからずっとアブに襲われ続けた。
 
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 沢はほとんど水がなく、魚の反応はあるのだが毛鉤を確認して逃げるの連続。道路工事の泥が川底に白く積もっていて、大雨でも来ないときれいにならなそうだった。
 それにしても暑かった。汗が流れてアブが来て集中できない。小さい魚しか出ない。大きいのは全部Uターンしてしまう。この渇水でも魚がいっぱい確認出来たのは良かった。
 しかし、アブにはまいった。手を振ると二三匹に当たるくらいまとわりついていた。そんな訳で午前中に脱渓、逃げるように車に戻った。
 
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 暑くて魚も釣れなかったけど、いい気分転換になった。渓流はいい。沢の水に浸っているだけでも楽しい。帰り道、米沢の黄木に立ち寄ってステーキ用の牛肉をお土産に買う。
 
 
 
 
 

2018年7月24日 (火)

よこぜ紅茶をアップ

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 ホームページの山里の記憶コーナーに「よこぜ紅茶」をアップした。我が家は紅茶が好きで、朝昼夕と紅茶をいれて飲んでいる。特に秩父の紅茶は癖がないので気に入っている。今回はその「よこぜ紅茶」の取材だった。朝八時に始まった取材は夕方4時まで続いた。お茶の葉から紅茶になるまでをつぶさに見たが、不思議な気がした。お茶の葉が一日で紅茶になってしまう不思議。人間というのはすごいものだ。
 
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 取材した浅見文昭さんは78歳、とても元気な人で汗を流しながらの紅茶作りも楽しそうだった。自分なりに少しずつ工夫してやっているんだという。緑茶を作る工場が減り、秩父で三軒になってしまった。緑茶の時期には10市町村の人からお茶作りの依頼があるという。貴重な工場なので、なんとか守らなければと言う。
 しかし、三人だけでやっている「紅茶の方が売れるんだぃね」と笑う。組合長が特に熱心で、紅茶作りに励んでいる。「よこぜ紅茶」のブランドで売り出して好調だという。
 
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 私もこの紅茶の愛飲者なのだが、本当にくせがなくすっきり飲める紅茶だ。体質の関係で緑茶がだめなせいもあり、紅茶を飲むのだが、海外ブランドには癖の強いものが多い。軽食やお菓子を一緒に楽しむためにはくせのない方が美味しいので重宝している。いつも芦ヶ久保の道の駅で購入している。色が良く出るティーバックタイプもある。
 
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 製茶工場は国際マス釣り場の横にある。待ち時間が長いので、釣りをしている様子を見ながらの取材だった。平日でも釣り客がいて、目を楽しませてくれた。ルアー竿を五本も持って残りマスを狙うプロのような人もいて楽しかった。若い女の子二人組が、暑い中一日粘って二十以上のマスを釣っていたのには驚いた。春日部から釣りに来たという。
 
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 入山耕地の自宅に戻り、作りたての紅茶を奥さんにいれていただいた。その赤色の鮮やかなこと。これが今朝までお茶の葉だったことを考えると嘘のような色だった。味はもちろん、いつも飲んでいる馴染みの味だった。
 文昭さんの自宅は山の中にひっそりと埋もれるように建っている。山に囲まれた日当たりのいい畑と自宅には奥さんが植えた花々が咲き乱れている。豊かな自然と豊かな暮らしを垣間見た思いだった。
 
 
 
 

2018年7月19日 (木)

Jリーグ再開、名古屋に勝った

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 7月18日、Jリーグが再開した。ワールドカップの夢のような時間が終わり、サッカーの世界も日常が戻ってきた。暑い暑いサイスタで行われた試合は残留争いの天王山だった。平日の夜というのに2万人を越えるサポーターが声を出して応援した。
 試合は遠藤航のヘッドで先制するも前半終了間際に失点し、ため息でハーフタイムを迎える。いつもならそのままズルズル行くのだが、この日は違った。槙野智章のヘッドが追加点となり、更に遠藤航のヘッドがだめ押し点になった。
 
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 レッズらしくないセットプレーからの三点という珍しい展開。これも中断期間中の修正のたまものか。オズの魔法使いはセットプレーの修正から入ったようだ。
 槙野智章のシュートが決まった時、貴賓席にいた原口元気が出て来て手を振った。すぐ上だったので手を振ると笑いながら応えてくれた。点を取った選手も、応援に来た選手もワールドカップの香りを届けてくれた。サッカーは世界とつながっていると実感した時間だった。
 
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 長谷部誠も原口元気もこのスタジアムから世界に出て行った。初出場から応援してきた身としてはワールドカップでの活躍振りが、まるで息子や孫が活躍しているように嬉しい。槙野智章や遠藤航もずっと応援している。
 今応援をしてる橋岡や荻原や柴戸が世界に飛び立つ日も近いだろう。みんなが日本代表を目指し、ワールドカップでの活躍を目指す。目指す場所が高ければ高いほど、日々の鍛錬と試合毎の活躍が必要だ。我々はそれを声と拍手で後押しをする。
 
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 ワールドカップの試合はどれも素晴らしいものだった。日本代表の戦いも素晴らしかった。三戦全敗を予想した身としては申し訳ない限りだが、素直に活躍を祝福した。あの素晴らしい戦いを続けるには持続する「熱」が必要だ。その「熱」はスタジアムにある。スタジアムに足を運んで選手を応援することが、あの素晴らしいワールドカップへとつながっている。
 
 
 
 
 

2018年7月17日 (火)

布ぞうりをアップ

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 ホームページの山里の記憶コーナーに「布ぞうり」をアップした。この取材は前回のきゅうちゃん漬けとセットの取材だった。新井武男さん(93歳)と朝子さん(92歳)のご夫婦を続けて取材させていただいた。二人とも90を越えて、健康で暮らしている姿に驚きと感動をいただいた。晴れた日は普通に畑仕事をして野菜を収穫している。雨の日は武男さんが布ぞうりを作り、朝子さんはそれを飽きずに見守っている。
 
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 月に何回か嫁いだ娘や息子が様子を見に来るが、基本的には気ままな二人暮らしだ。布ぞうりを取材した日は朝から雨が降っていた。武男さんは黙々と布ぞうりを作る。朝子さんはお茶を入れて「お父さん、休んでのど湿しをしちゃぁどうだぃ…」と武男さんに勧める。武男さんは「ああ」と言ってやっと手を休め、お茶を飲んでタバコを一服する。その様子を朝子さんは横からじっと見つめている。
 テレビの音もラジオの音もない、静かな静かな時間がそこに流れていた。「雨の日は静かでいいねえ…」という武男さんの声が耳に心地よかった。
 
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 自分は果たして90歳まで生きられるだろうか。もし生きられたとして、こういう豊かな時間を持ち続けることが出来るのだろうか。お二人を見ていてそんな事を考えていた。何気ない光景だが、すばらしい光景だった。
 
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 もちろん出来上がった布ぞうりのすばらしい事は充分に知っている。履き心地の良さは使ってみてよくわかったし、色使いのセンスもすばらしいものだった。たまたまかもしれないが、薄い黄色と爽やかな青の組み合わせがじつに夏らしい配色になっている。
 お土産にいただいた二足は、今使っている竹皮ぞうりが駄目になったら使わせていただくことになる。そして、布ぞうりを履くたびに思い出すのは、たぶんあの日の光景なのだと思う。
 何気ない老夫婦の日常、何気ない会話、何気ない心配り……そんな時間を共有できた貴重な取材だった。
 
 白いシャツは絵に描く時は楽だけど、絵が出来上がってみると何だか物足りない気がする。などと、出来上がりを眺めながら思った次第。人間なんて勝手なものだ。
 
 
 
 

2018年7月11日 (水)

よこぜ紅茶の取材

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 7月11日、朝3時に起きてワールドカップ準決勝を見て、そのまま6時に家を出て秩父の芦ヶ久保まで紅茶の取材に行った。取材したのは浅見文昭さん(78歳)で、茶葉の刈り取りから紅茶が出来るまでを見させていただいた。
 よこぜ紅茶として人気のある紅茶は8年前から生産が始まった。組合では三人が紅茶を生産している。「緑茶は売れないけど、紅茶は売れるんだぃね」と笑う文昭さん。じつは私も芦ヶ久保道の駅でこの紅茶を買ってきて、毎日飲んでいる。クセのない美味しい紅茶だ。
 
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 朝8時、約束の時間に製茶工場に行くと、すでに文昭さんが来ていて茶葉を広げて乾燥させていた。昨日刈り取った茶葉を二時間日光に当てて乾したものだとのこと。しっとりとした葉からは果実のような香りが漂ってくる。これを二時間、揉捻機(じゅうねんき)という機械で揉む。熱も加えないのに揉むだけで発酵が始まる。
 揉んだ後は湿したタオルケットで包んで約一時間発酵させる。温度が30度くらいを保つのが良く、35度を超えると腐る。温度計を入れて置いて、何度も切り返しをする。ここが一番神経を使うところだそうだ。
 
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 発酵が終わったら急速乾燥させる。100度の熱風が吹く乾燥機で急速に乾燥させ、発酵を止める。荒乾燥から本乾燥と機械を変えて仕上げの乾燥をする。しっとりとした茶葉はサラサラの紅茶になった。工場いっぱいに紅茶の香りが充満していて、何だか幸せな気分になる。
 今朝までお茶の葉っぱだったものが、何時間かでこうして紅茶になる不思議。出来上がった紅茶を最後の機械にかける。電子色彩選別機という機械だ。茎の白い色だけ判別して取り除くという優れものの機械。この機械を通すと、あら不思議、紅茶と茎が別れて出てくる。こうして出来上がった紅茶を工場から自宅に運び、入れていただいた。
 
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 上品なティーカップに今日作った紅茶が満たされている。何だか不思議な光景だ。朝まで葉っぱだったものをこうして飲むことができる。それがまた、じつに旨い。このクセのない味がたまらない。
 さてさて、取材をしたのはいいがまとめるのが大変だ。工程を書くだけで紙面がいっぱいになってしまいそう。どこを削ればいいのか悩みそうだ。書きたいことはいっぱいあるのになあ……と嬉しい悲鳴が出そうな感じ。
 
 
 
 
 

2018年7月 7日 (土)

絵を届けて布ぞうりの取材

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 7月6日、秩父の上吉田・石間に「きゅうちゃん漬け」の絵を届けた。小雨の降り続く秩父路はしっとりとアジサイの花が似合う景色になっていた。前回の暑い日とは全く違う涼しい一日で、体は楽だった。
 朝子さんは絵をとても喜んでくれた。ディサービスの仲間に見せて自慢するんだと嬉しい事を言ってくれた。この日もきゅうちゃん漬けを「黒沢さんが来るからって作っておいたんだぃ」と待っていてくれた。お土産にとさっそくパック入りのきゅうちゃん漬けを出してくれた。本当に嬉しいことで、ありがたく頂いた。
 
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 今日はご主人の新井武男さん(93歳)に布ぞうりの取材をお願いしていた。四方山話の後でさっそく取材に入る。毎日布ぞうりを作っているとのこと。手際がじつに早い。芯にはビニールヒモを使い、布は姪っ子が持って来てくれた裁断余りのものを細く裂いて使う。
 ひとつ作るのに約40分かかるという。すぐに編み始めた武男さんの手が黙々と動く。説明は一切してくれない。見る見るうちにぞうりが出来上がる。
 青と黄色の夏らしい配色の布ぞうりが出来上がってゆく。さすがに慣れたもので、熟練の手さばきは見ていて飽きることがない。
 
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 ぞうりを作りながら色々な話を聞いた。この石間という地区は昔から何かと話題になる地区だった。古くは平将門が城峰山に籠もったことから出城があったと言われている場所でもあった。今は椋神社の例大祭になっている龍勢も江戸時代から石間地区で盛んに行われていた。龍勢は石間が大本だと武男さんは言う。
 江戸時代には江戸で活躍した鼠小僧の墓が隣の漆木耕地にあるという。何代目かの鼠小僧の墓らしいが詳しい事は知らないという。
 明治時代にはあの秩父事件が起きたが、ここ石間から始まったと言ってもいい。加藤織平・落合寅市・高岸善吉・坂本宗作などそうそうたるメンバーが石間から出ている。
 武男さんのひいおじいさんが鉄砲隊長だったらしいと言っていた。
 
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 石間の昔話を聞きながら布ぞうりが出来上がるまでじっくりと見させてもらった。雨降りの日は静かでいいねえという武男さんの言葉がしみ込むようだった。庭の枝垂れ桜とイロハモミジの緑が鮮やかで、目にまぶしいようだった。聞けばどちらも五十年も経っている木だとのこと。「俺が40の時に植えた木だぃね、桜は加藤織平さんの家からもらったもんだよ」と笑う。93年この家で暮らして来た歴史が言葉ににじみ出ていた。
 
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2018年7月 5日 (木)

きゅうちゃん漬けをアップ

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 ホームページの山里の記憶コーナーに「きゅうちゃん漬け」をアップした。きゅうちゃん漬けの取材は急に決まったものだった。知人から紹介されて挨拶に伺ったところ、お茶請けで出されたきゅうちゃん漬けをこれから作ると聞いて申し込んで、そのまま実現したという嘘のような話だった。
 
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 92歳の手が大量にキュウリを刻む。腰が痛いからと言って、床で刻む姿が自然で美しかった。腰を伸ばしてキッチンを使うことは無理をすることだ。別に床で切ったっていいじゃないか。キッチンの高さは年老いた人向けの高さではなく、使い勝手は悪い。朝子さんの目線で移動しながら話を聞いていて、ふとそんな事を思っていた。
 合理的で美しいキッチンも、腰が曲がったお年寄りには使いこなすのが難しい。機械類はそんな事はまったく考えてくれず、水道の蛇口はシンクの奥にあるし、温水器のスイッチや棚ははるか上空にある。足腰がおぼつかなくなっている人にとって台に乗って作業することは転倒の危険をはらむ。床で作業する方がよっぽど安全だ。日々の暮らしは衛生よりも安全が優先する。お年寄りの一人暮らしが多くなっている今、そんな視点も必要になりそうだ。
 
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 昔の写真もいっぱい見せてくれた。若いころの朝子さんは笑顔がはじけるように耀いている。前向きに生きてきた人生が写真からも伺える。なにより、夫や子供、近所の人々に感謝の気持ちを忘れないことがすばらしい。話の端々にそんな気持ちがあふれていた。
 92歳になった今でも、93歳の夫と畑仕事をするという。本人たちは淡々と暮らしているだけなのだが、すごいことだと思う。この歳まで健康でいて、普通に暮らせることがどんなに難しいか。どんなに珍しいことか。
 
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 朝子さんのきゅうちゃん漬けはパリパリと食感の瑞々しい漬物だった。頂いたきゅうちゃん漬けはすぐに食卓に上がり、すぐになくなった。大量のキュウリを買って自分でも作ってみようと思う味だった。
 
 
 
 

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