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2018年1月26日 (金)

勤続45周年

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表彰状         UCHIDA製図用机 様
 
 あなたは昭和47年2月より現在に至る45年間、私の画業を支えてくれました。その栄誉を讃え、ここに表彰状を贈らせていただきます。
 
 デザイナーを志した19の春にあなたは私のアパートにやって来ました。指扇の二階建てアパートの6畳間に来たあなたは、慣れない畳の上でとまどっているようでした。同居していた姉からは「こんなデカイものを運び込んで…」と白い目で見られていました。
 デザインの勉強や作品の製作を続けた3年後、上福岡のアパートに転居しました。6畳一間の部屋であなたの大きさを持て余したものでした。またその当時、東武ストアの販売促進部に勤務していたこともあり、勉強の本を置く場所や持ち帰り残業の仕事でしか使われていませんでした。あなたにとって不遇の時代であったかもしれません。
 
 昭和55年の8月、中板橋に創業した小さなデザイン会社の一角にあなたが入りました。やっとあなたの本領を発揮する場所に来た日でした。それ以来30年、デザイン会社の片隅で本来の使われ方をしたのですが、時代の変化は早く、T定規などの製図道具を使った作業からパソコンの時代になってしまいました。あなたの製図板の上にパソコンのモニターとキーボードが並ぶようになりました。製図板昇降機能は使われなくなり、サイドテーブルは取り外されました。あなたの周囲は環境も人も道具もめまぐるしく変わり、デザイン会社の変化の速さを実感した日々でもありました。そんな中でもあなたは周囲の最新式の机達と一線を画し、堂々とした居住まいを見せておりました。
 
 会社は中板橋から恵比寿に移り、ピークを迎えました。その後時代の変化による業績の悪化により恵比寿から大塚に移転し、私は退任しました。同時にあなたも大塚から東久留米の自宅に移動し、狭い居間の窓ぎわに置かれました。あなたの上には水彩画の道具が並び、絵を描く日々を受け止めるようになりました。
 山里の記憶の水彩画193作品をあなたの上で描きました。プライベートな作品を合わせると300点以上の水彩画を描いていると思います。製図板には絵の具の汚れやカッターナイフの傷跡が増えました。
 
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 思えば私の前にはいつもあなたがいました。19の春にあなたに出会い、私の未来は決まったのかもしれません。自然に体になじむ安息の場所を提供してもらい、自分の進むべき道を誤ることなく歩いて来られたように思います。何一つ機能的に欠けることなく錆びもなく45年間助けてもらいました。本当に素晴らしい机です。
 今後も50年、60年とあなたと過ごすことになるでしょう。終わりの時も共にあらんことを念じ、今までのあなたの存在に感謝を込めて、これを感謝状といたします。
                  平成30年1月吉日    黒沢和義  印
 
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