2018年5月23日 (水)

ごまよごしを取材

R0026740
 
 5月23日、小鹿野町にごまよごしの取材に行った。取材したのは柴崎ツヨさん(93歳)で、畑で栽培しているほうれん草を使ってごまよごしを作ってくれた。
 ツヨさんは今でも畑で多くの野菜を栽培していて、収穫して知り合いに配るのを楽しみにしている。畑にはジャガイモの花が咲き、ナスや満願寺トウガラシ、オクラ、トマトなどが育ちつつあった。
 
R0026765
 
R0026799
 
 畑でほうれん草を何本か収穫し、丁寧に洗う。台所の鍋で茹でて水に晒す。すり鉢で茶碗八分くらいのゴマを擂り、味噌や砂糖で味付けし、ほうれん草と和える。箸ではなく手で和えるのがツヨさん流。「いつも作ってる普通のもんだぃね…」という言葉のとおり手順によどみはない。93歳とは思えないしっかりした動きについて行くのが忙しい。
 言葉も対応もしっかりしているし、耳もしっかりしていて取材は順調に進んだ。昔話も様々な話を聞くことが出来て有意義な取材だった。
 
R0026804
 
 お茶請けで出された料理にも驚いた。ハチクの煮物は柔らかくてとてもコクのある味だったので聞いてみた。砂糖を玉砂糖にしているという。玉砂糖の方がタケノコと合うという言葉に納得の味だった。フキの煮物は薄味で、フキの味がしみ出るような出来上がりだった。どちらも絶品の味。ほうれん草のごまよごしと合わせてお茶請けにいただいた。
「いっぱい作ったから持っていきない」と残ったごまよごしをタッパーに詰めたものをお土産に頂いて家を後にした。
 
R0026809
 
 午後は本を注文してもらった「ななたき」に本を届け、実家に預けてあった写真パネルのダンボール二箱を受け取りに行った。
 小雨の中緑が濃くなり、きれいなヤマボウシの花(苞)があちこちで見られた。この時期の花だが、山で見る事は少なかった。最近は街路樹に植えるところが多くなり、あちこちでヤマボウシの花が見られるのが嬉しい。秋にこの実が立ち上がって色づくのが待ち遠しい。
 
 
 
 
 

2018年5月21日 (月)

本を届ける

R0026700
 
 5月20日、爽やかな風とポッカリ浮かんだ白い雲が気持ち良い日だった。秩父に注文された本を届けに行った。本を届けたのは市内宮側町にあるイタリアンレストラン&バー・サルベージ。山里の記憶1巻から5巻までを送って欲しいと言われたのだが、秩父神社へ参拝するついでに届けようとランチを食べに行った。
 秩父神社への参拝は、原画展の成功の報告とお礼の参拝だった。
 
R0026710
 
R0026711
 
 オーナーシェフは坪内浩さんといい、野菜やハーブだけでなく、お米や小麦・大豆など全て自給にこだわっている。秩父郡市7箇所で、スタッフ総出で農作業をしているという本格派。農作業をやるためランチの営業は土日祝日のみ。顔は逞しく真っ黒に日焼けしている。
 11時半に入店し、シェフに挨拶する。わらびのアク抜きは山里の記憶のやり方を参考にしていると嬉しい言葉を頂いた。店内はすぐに客でいっぱいになり、人気店だという事が良く分かった。客の中に知り合いが二人もいてお互いにびっくりしてしまった。
 
R0026713
 
 朝収穫してきたという生野菜のプレートが本当に新鮮ですばらしかった。パスタはボンゴレビアンコ。野菜がたっぷり入っている。メインは牛肉とグリル野菜。どちらも野菜の旨さが際立つ料理だった。もちろんパスタも牛ステーキも大満足の味。
 天気が良く、二階の席から見わたす公園の緑も良かったし、青空に浮かんだ白い雲も見飽きなかった。ランチを食べに秩父に行くという贅沢もたまにはいいものだと思った。
 
R0026716
 
R0026717
 
 夕方には家に帰り、サッカーの結果をチェック。わがレッズは中断前低迷したままで14位という悲惨な状況。中断中の補強が必要だ。
 飲みながらワインのつまみにとピノを出したら、なんとラッキー星ピノを発見。何かいいことがあるかもしれない。レッズの今後を占う星ならいいのだが。
 
R0026730
 

2018年5月15日 (火)

原画展最終日

R0026653
 
 5月14日、月曜日。原画展の最終日は朝から快晴で暑かった。最終日は月曜日なのでそんなに混まないだろうとのんびりしたいたら、案に相違して大勢の来場者があった。
 大滝から駆けつけてくれたモデルさんが何人もいて嬉しかった。秩父鉱山関係の人もたくさん来て自分の経験した鉱山での暮らしぶりを話してくれた。
 
R0026663_2
 
 二十代の頃働いていた会社の上司だった方々や、デザイナー時代の取引先の方々が来てくれたのが嬉しかった。新聞に載ったせいか、高校の同級生が何人も見に来てくれた。見覚えある名前で見に来たらやっぱり本人だった、と再会を喜び合った。そのうち二人が親を描いて欲しいという話になり、モデルさんの発掘につながったのも嬉しかった。
 
R0026673
 
R0026686
 
 最終日は午後5時で終了なのだが、終了前にムクゲ公園スタッフが長谷川さんとやって来て、会場が急に華やかになった。明るい女性の華やかな声はありがたい。
 5時からはスタッフ総勢で撤去作業が始まった。絵や写真パネルを撤去して箱に収納する。生花の解体、ポスターの撤去、展示パネルの解体など作業はあっという間に進む。設営は大変なのに、撤去はなぜこんなに早く出来るのだろうと不思議になるくらいだった。作業終了前にスタッフの集合写真を撮る。お陰様で無事に終了して感謝の思いで一杯だ。
 
Photo
 
 借りた道具類と五日間の入場者を記入して販売促進課に挨拶に行く。入場者は最終日215人を加えて、合計で1308人という大きな数字になった。販促部長からも「大勢呼んで頂いてありがとうございました」と言われた。確かに展覧会としては異常な数字だったと思う。
 車に荷物を積み込むと後ろが見えないくらいになった。車に乗って向かったのは小鹿野町の「まる銀たじま」原画展の打ち上げ会場だ。
 
R0026689
 
 7時からスタッフ7名と打ち上げの宴会が始まった。疲れ切っていたが、興奮が冷めやらない状態で原画展のあれこれを語り合う。お酒が入ると話に勢いが加わり、おいしい料理を食べながら大いに笑い合った。気心知れたスタッフのお陰で12年続けて来られたのだと思うと感謝しかない。飲んで語り合うのは本当に楽しい時間だった。あっという間に11時になってしまった。再会を約束して別れた。
 
 11時過ぎに実家に到着。そのまま寝させてもらう。朝は車の荷物を確認し、冷蔵庫に置いてあったものなどを更に積み込む。小さい車は更に荷物で一杯になる。
 カミさんと花を持ってご先祖様のお墓参りに向かう。原画展の翌朝の恒例で、成功の報告と感謝の思いを花とお線香に込め、両手を合わせる。
 緑の山は暑い日射しをはね返すように鮮やかだ。ふるさとの山は何も変わらずそこにある。次の一歩を背中から押してくれる山がそこにあった。
 
R0026691
 
R0026697
 
 生物が車にあるので、休憩なしで東久留米の自宅に到着したのが12時過ぎだった。山のような荷物を家に運び込んで整理し、やっと一段落。紅茶を飲みながらこれを書いている。怒濤の五日間が終わった。何はともあれ、自分にお疲れさま。
 
 
 
 

2018年5月13日 (日)

原画展四日目

R0026588
 
 5月13日、日曜日。予報は午後から雨。日曜日ということもあり、雨が降る前に来場者が多いだろうと予想していた。開場と同時にたくさんの来場者があり、対応がてんやわんやになってしまう。
 日曜日ということもあり、遠方からの来場者が多かった。東京から来てくれた元会社の社員たち。東京から来てくれた釣り友だちテニス友だち。茅ヶ崎から来てくれたサッカー友だち。
 
R0026616
 
R0026597
 
 モデルさんも知り合いもたくさん来てくれた。子供や孫と来てくれるお年寄り。誘い合わせて大勢でやってきてくれる人。新聞の報道を見て坂戸や春日部から来てくれた人。知り合いや知り合いの知り合いという多彩な顔ぶれ。それぞれに対応するこちらは一人。途中から酸素不足の金魚のようになってしまった。あちらこちらと漂いながら誰と何を話したかわからない状態で動き回る。
 
R0026637
 
 本の存在を知らなかった人が多く、見て本を購入してくれる人が多かった。本が売れたからといって特にプラスはないのだが、一人でもこの作品を見てくれる人が増えることはありがたい。その意味で新聞記事の影響は大きかった。
 今回は初日に埼玉新聞。三日目に読売新聞と東京新聞に原画展の記事が掲載された。「新聞を見て来た」という人が多かったのがその効果だったと思う。ありがたい事だった。新聞鉱化もあり、13日の日曜日来場者は335人と二日続けて三百の大台を超えた。
 本当にこれは展覧会としては考えられない数字で異常な数字だ。ありがたい事だが、個人的にはすごく疲れた。本当に疲れた。
 
R0026585
 
R0026586
 
R0026587
 

2018年5月12日 (土)

原画展三日目

R0026533
 
 5月12日、原画展三日目。今日は本当に忙しかった。読売新聞と東京新聞に原画展のニュースが掲載され、それを見て来たという人がとても多かった。開場と同時に何十人もの人が来場し受付が少し混乱した。こんな事は初めてで、びっくりしてしまった。
 
R0026538
 
 今日も本当にたくさんの人が来場してくれた。自宅の庭のシャクヤクを切り取って花束にして持って来てくれた人。筍を煮たからみんなで食べてと、まだ温かい筍の煮物を持参してくれた人。遠く大滝からキャラブキやウドの煮物を持参してくれた人。仲間と一緒に連れだって上尾から来てくれた友人。大阪から本のお礼を言いに来てくれた人。
 
R0026546
 
R0026552
 
R0026554
 
 今回のモデルさんも前回までのモデルさんもやってきて久し振りの挨拶を交わした。みんな笑顔の再会で、懐かしい人達との会話が楽しかった。
 兄弟が多いのだが、今日はたまたま兄弟が同時に集まる時間があった。スタッフにお願いして兄弟の集合写真を撮る。これもまた原画展ならではの風景。兄弟が揃って元気なことは本当に誇らしい事だ。みんな仲が良いのだからいう事はない。
 
Photo
 
 最終的な入場者がなんと343人という数字になっていて目を疑った。たしかに大忙しだったし、誰と何を話したかもおぼろげになる状態だったが、こんなに多くの人が来てくれたとは…。新聞二紙の影響が大きかったのかもしれない。ありがたい事だ。
 しかし、疲れた。缶ビールと缶ハイボールを飲んでこれを書いているのだが、目はぐるぐる回るし、足は痛いしでボロボロな状態。本当に疲れた。
 
 
 
 

2018年5月11日 (金)

原画展二日目

R0026523
 
 5月11日、原画展二日目。良く晴れて暖かく、前日とは打って変わった好天だった。会場に入ると身が引き締まり、二日目の来場者を迎えた。
 毎回二日目は来場者が一段落する日なので、応援スタッフ二人が今日はお休み。兄弟だけの少数精鋭で来場者に対応する。
 
R0026513
 
 今日も様々な人が来た。
 昨日退院したばかりなのに杖をついて来てくれた95歳のおじいちゃん。仲間四人とにぎやかに鉱山の話を語ってくれた人。自作の杖を持って来てくれる人。その杖をありがたく頂いてゆく人。鉱山の思い出の学校の写真を三脚を使って複写する人。
 偶然にも陸前高田で面影画を描いた人と知り合いで、その人から「私の替わりに見てきて」と言われて来たという人。その場で携帯をかけ、陸前高田の人と原画展の会場で話す不思議な時間。鉱山で働いていて日本画を描いていたおばあちゃんの画集を寄贈してくれた人。
 
R0026511
 
R0026514
 
R0026520
 
R0026525
 
 来た人すべてにドラマがあり、会話があり、笑顔があった。なんという濃密な時間。これが原画展の醍醐味で、やっていて良かったと思う瞬間でもある。
 今日の来場者は164人。濃密な時間を共有した人々の数だ。
 
 
 
 

2018年5月10日 (木)

原画展初日

R0026498
 
 5月10日、原画展の初日。朝から雨が降っていて家を出た7時ころから雨脚が激しくなってきた。高速を使い秩父に着いたのが9時半。雨は上がったが湿った空気が重い中を、会場の矢尾百貨店に入る。開店までの30分間は頂いた生花の数々を梱包から外したりと忙しい。
 
R0026443
 
 スタッフも集合し、開店と同時に開場する。すぐに知った顔が次々と現れ、挨拶に忙しい。次々と人が来る。そのすべての人に挨拶し、久し振りの会話を交わす。もう何年も前からやっているのでモデルさん以外でも顔見知りが多く、会話が弾む。みんな話したいことがいっぱいあるようだが、申し訳ないことに来た人来た人に声を掛けなければならないので長く話せない。仕方ない事で、申し訳なく思いながらも花から花に飛ぶ蝶のように人の間を動き回る。
 
R0026453
 
 埼玉新聞に掲載されたと新聞を持って来てくれた人がいた。記事は上手くまとめられていてわかりやすかった。ありがたい事だ。
 両手に花をかかえて来る人がいる。朝作ったと言っておまんじゅうを持って来てくれる人がいる。これをみんなで飲んでとリポビタン二箱を持って来てくれる人がいる。車イスに乗って友人とにぎやかに来てくれる人がいる。同級生がランの花を持ってきてくれる。92歳の人が車を運転して奥さんとはるばるやってくる。
 本当にありがたい事で話す声のトーンがまた一段と上がる。
 
R0026479
 
R0026485
 
R0026469_2
 
 次から次に人が来て話して笑い合う。相手は何百人もいるのだが、相手をする私は一人しかいない。次第に声が涸れてくる。頭がもうろうとして誰と何を話したのか覚えていられなくなる。メモを取ったり写真を撮ったりするのは覚えていられないから。記憶する限度を超えてしまっている。後日、誰が来たか確認する為にもひんぱんに来場者の写真を撮る。
 
R0026480_3
 
 5時過ぎにはヘロヘロになってしまい、対応が遅くなる。今日は雨が降ったから畑仕事が出来なくてここに来られた…と言う人が多かった。雨が降った事もプラスに作用したようだ。
 7時閉店。来場者251人。なんと多くの人が会場に足を運んでくれたくれたことか。本当に感謝・感謝の一日が終わった。
 
 
 
 
 

2018年5月 9日 (水)

原画展・設営終了

R0026422
 
 5月8日、原画展の設営をするために秩父に行った。12時に矢尾百貨店の駐車場に集合した山里の記憶スタッフと共に、作品や写真パネルや本の詰まった山のようなダンボール箱を搬入する。
 会場は三階に新しく出来た催事場と美術サロン。二つの会場をぶち抜きで設営をする。事前にレイアウト図は作ってあるのでスタッフに渡して説明し作業を始めた。
 
R0026424
 
 パーテーションパネルを組み立て、作品の配置を決める。35点の原画と45枚の鉱山写真パネルを会場に配置して、バランスを確認する。会場図面と現場が違う部分が必ずあるので、細かく修正して配置を決める。
 原画をワイヤーフックに吊り下げ、高さと間隔を揃える。写真パネルは高さを決め、4本のピンで壁面に固定する。スタッフは慣れているので二人ずつ原画班と写真パネル班に分かれて黙々と作業が進む。私は受付回りのセッティングを担当する。テーブルをつないで持参した布をかけて固定する。受付後方に物置スペースをパーテーションパネルで作る。
 書籍販売コーナーを作り見本と本を並べる。壁面には1巻から5巻の歴代ポスターを貼る。
 
R0026427
 
 12時から始まった作業は4時でほぼ終了。最終的な修正と照明のセッティングをしてもらう。私は読売新聞の渡部記者の取材を30分受け、その後埼玉新聞の櫻井記者の取材を30分受けた。新聞への掲載はどちらも初日の10日になりそう。どちらも埼玉版だが、こうして事前に取材して頂くことは本当にありがたい事だ。
 矢尾百貨店の販売促進部長から10日からのチラシを渡されてビックリ。なんと原画展の告知が紙面の三分の一もある大きなものだった。270周年記念とあるタイトルもすごいが、こんな大きな扱いをしてもらって、少し責任を感じてしまった。
 
R0026430
 
 最終確認をして作業は6時に終了。毎回お世話になっているスタッフと集合写真を撮る。気心が知れているとはいえ、スタッフには感謝しかない。
 設営が終われば原画展は半分終わったようなもので、あとは会期中に来場者と応対するだけになる。肩の荷が半分下りた。
 店の外に出ると雨が降っていた。初日が晴れてくれればいいがと思いながら秩父市内を後にした。
 
Sutahhu
 

2018年5月 1日 (火)

原画展の準備

R0026408
 
 5月1日、気温30度を超える秩父を走り回って原画展の準備をした。朝一番で車いっぱいにダンボール箱を積んで実家に向かう。ダンボールの中身は原画展で使う額装した絵、秩父鉱山の写真パネル、サイン本など。車が小さくなったので一回で運べず、兄の車で設営当日運んでもらうためのもの。
 
R0026412
 
 芝桜の渋滞を嫌って朝早く出たので早く着いた。ダンボールを兄の家に運び込み、小鹿野を走っていたら小さなお稲荷様のお祭りをやっていた。集落の人達が集まって神主の祝詞を聞いている。小さな集落の小さなお祭り。女衆がテントで料理を作っている。外の人が入れない集落だけのお祭り。こういう小さなお祭りが集落毎にあるのが秩父の良さ。
 
R0026415
 
 矢尾百貨店に行き、当日のレイアウト図を提出し、販売促進部長と打ち合わせ。使う器具の数とか椅子の数や配置など、細かく確認する。これをきちんとやっておかないと、設営当日スムーズに作業が進まないので、慎重に確認する。
 芝桜で混んでいる市内の道を走り、市役所に向かう。向かうのは市役所の中にある記者クラブ。新しくなった庁舎なので勝手がわからず、受付で聞く。二階の記者クラブには女性が一人いて受け付けてくれた。秩父在マスコミ6社分のパンフレットを依頼し、名刺を置いてくる。これが取材になったりするので気が抜けない。
 
R0026416
 
R0026417
 
 早い時間に全ての作業が終わったので、帰り道にある丸山鉱泉に立ち寄った。ここは今の時期、露天風呂が新緑の中にある気分の良い立ち寄り湯だ。露天から見おろすとはるか下に渓流が見える。吹き上げてくる風が周囲の新緑をそよがせ、一瞬風と同化する。露天に浸かると湯面に写る緑と手足が同化する。最近の疲れが緑に流されて行くようで、とても爽やかな心地よい時間を過ごした。朝早く出たおかげで、こんな贅沢ができた。
 武甲山を前にする寺坂棚田にはすでに水が引かれていた。田植えも早くなりそうだ。
 
R0026418
 

2018年4月30日 (月)

デリカ・小さなレストラン

Dcf00001
 
 4月29日、大宮の氷川神社に参拝した。武蔵一宮のすばらしい参道は巨木の並木道。折からの風に新緑がさざめき、清々しい風情だった。氷川神社境内の巨大なクスノキには多くの参拝者が両手を添えてパワーをもらっていた。
 参拝後に向かったのが参道ほど近くの小さなレストラン「デリカ」だった。店主から開店の知らせをもらっていた。開店一ヶ月という遅い訪問にも店主は明るく出迎えてくれた。
   デリカ 3.28 オープン
   大宮区宮町3-161 048-856-9522
   14:00→21:00 火曜定休 店主:山崎 暢
 若き店主と初めて会ったのは二年前の「山里の記憶・原画展」の時だった。ネットで埼玉県の食材を検索していたら秩父の食材でヒットしたらしい。埼玉県の食材だけで調理するレストランを目指しているという熱い訴えを原画展会場で心地よく聞かせていただいた。
 6年準備して、約束通り自分の店を持った。その知らせは若い店主の思いがひしひしと伝わる瑞々しくも嬉しいものだった。
 
Dcf00012
 
 看板のない小さなレストランを見つけ、中をのぞくと「ああ、黒沢さんじゃないですか」と声がかかって、逆にこっちがビックリしてしまった。二年前の一時会っただけの顔を覚えているとは驚いた。「僕は人の名前を覚えるのが得意なんですよ」と笑っている。
 
Dcf00015
 
Dcf00017
 
 暑い日だったのでビールを頼む。ビールは小川町の地ビールと川越の地ビールがある。一緒に頼んだ前菜の盛り合わせがすごかった。カブの葉のナムル、キクイモの甘酢漬け、レバームースのクラッカー乗せ、手作りの生ハム、大麦のサラダ。大麦のサラダは茹でた大麦をおなめで和え、キヌサヤ、ブロッコリーの芽、フルーツトマト、カブの薄切りが一体になったもの。絶品だった。食材は全て県産。この大麦サラダはじつに日本酒に合う味だった。
 日本酒は冷やで頼むと5本の一升瓶を並べて好みを聞かれる。半合から頼めるのが嬉しい。
 
Dcf00019
 
Dcf00021
 
 メインで頼んだのは鴨ソーセージと葉玉ねぎ。鴨は幸手の農場で産したもの。新玉ねぎの葉はそのまま茹で、行者ニンニクのペーストにオレンジピールを加えたソースがかかっている。 白ワインと赤ワインは秩父産のワインとこれはさすがにフランス産のものを取り揃えている。鴨ソーセージには赤ワインを合わせた。
 フランスパンとルバーブジャムでおなかを満たし、デザートはキャラメルムースが出た。ジャムの作り方も教えてもらったり、プロの技に感心する。店主との会話が楽しい。
 
Dcf00023
 
 白が基調の店内はシンプルで美しい。玄関と窓が開放されていて、爽やかな風が入ってくる。店の前が小さな公園になっていて、ヒガンザクラ、アジサイ、キンモクセイなどの木々が手入れされている。店の奥から眺めると、玄関と窓から見える緑とそこを通る人や車がまるで映画のように見える。店主も店を決めるポイントになったのがこの公園だったという。大きなテーブルに差し込む光が時間とともに変化して、まるで絵画のようにも見える。壁に何も掛けない店主のセンスが伝わってくる。差し込む光の変化が印象派のセザンヌを思わせる。
 
Dcf00025
 
 何だかすっかりくつろいでのんびりしてしまった。店主の人柄もあるのだろうが、客もゆったりとくつろいでいる人が多い。静かに料理をサーブする店主だが、素材について聞くと、熱い思いが言葉になってあふれ出る。またその話が面白い。今後は秩父の素材も使ってくれるようで、何が使われるのか楽しみだ。
 3時に入店して出たのが6時近かった。昼間からこんなに飲んだのも久し振りだ。店主との会話も楽しかったし、大いに満たされた三時間だった。こうして応援したい店が出来ることはすばらしい。こちらが元気をもらって帰れる。
 
Dcf00024
 

«初釣り