2016年9月21日 (水)

アケビの皮味噌炒め

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 秋田の山の中でおじさんからもらったアケビを食べた。
 甘く爽やかな味は山の秋を感じさせる味だった。
 で、残った皮を食べようと色々調べた。簡単に食べられそうだったのでやってみた。
 
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 3個のアケビを使った。皮は開いて切り離し、表の茶色い部分をそぎ取る。こうすると苦みが薄くなる。鍋で皮を軽く煮て水にさらす。アクを抜く為と、苦みを薄くするため、一時間ほど水に晒す。水に晒した皮をキッチンペーパーで水気を拭き取って、5ミリの厚さに切る。
 合わせるのはピーマン2個と秩父の味噌豚。ピーマンは千切りに、味噌豚は拍子木に切る。
 
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 フライパンにごま油を熱し、全部を炒める。途中で酒と砂糖少々を加え、味を調える。味噌豚の味噌味が全体に回るので、醤油や味噌は使わない。
 しっかり炒めれば出来上がり。
 
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 ビールやお酒にも合うし、もちろんご飯のおかずに最適の一品になった。アケビの皮がこんなに旨いものだとは思わなかった。ほろ苦さが少し残るナスのような食感。味噌味が本当によく合う。ピーマンは2個だったが4個でもよかった。
 
 
 
 
 

2016年9月20日 (火)

東北釣り三昧

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 17日から19日までの三日間、山形・秋田で釣り三昧の三日間を過ごした。
 加藤さん、イナさんと三人で16日の夜に車で出発。向かったのは山形県の湯殿山。山麓の渓流に到着したのは朝8時。支度をしていたら、すぐに車が一台来た。同じ場所を狙っていた車のようで、未練そうにUターンして帰って行った。三連休は人も多い。
 山岳渓流はいつもより水が少ないそうで、チビイワナしか出なかった。大きなイワナも出たのだが、一つはバラシ、一つは合わせ切れ……。逃げた魚はみなデカイ。
 三段の滝で加藤さんがいい型のイワナを釣ったので、脱渓。川通しに下る。
 
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 その後、周辺の渓流を探釣したのだが釣果なし。3時になったので山を下り、宿周辺に移動して探釣。イナさんが大きなイワナを掛けたが取り込みに失敗。上手の手から水がもれることもある。結局、周辺では釣果なしで宿にチェックイン。
 
 宿は民宿・田麦荘。田麦股の民宿で、昼はそば屋として営業している。田麦股は小説「邂逅の森」の舞台にもなっている場所で、その昔、熊撃ちのマタギが活躍した場所でもある。
 この田麦荘はその昔、庄屋をやっていた家だそうなので、小説の時代にも存在していた家だ。昔の写真や大雪の写真が飾られていて、小説の世界を写真で確認することができた。
 夕食の料理が九品。それが全部旨かった。刺身や海の魚が使われた料理が多く、ここが海に近い事を教えてくれる。鶴岡を通じて運ばれているとのこと。その新鮮さは驚くばかりだった。大満足の料理をおいしいお酒で楽しむ。もう少し魚が釣れれば言うことないのだが…。
 
 二日目は高速を使って三時間かけ、鳥海山麓へとひた走る。加藤さんの知り合いからの情報で、とても良い沢があるとのこと。途中の鳥海山の姿がとても良かった。グルリと回り込みながら変化する鳥海山の姿を楽しんだ。美しい山だ。
 渓流は橋から入渓した。すぐに大きなイワナが釣れた。計ってみたら27センチ。太い雄のイワナだった。これは幸先がいいと勇躍した三人だったが、百メートルも行かないうちに先行者を発見。一気に落ち込む。フライマン二人が先行していた。
 仕方ないので支流へと入るが、ここでも百メートルも行かないうちに4人の先行者を発見し、意気消沈してしまった。
 4人は脱渓したところのようだったので、挨拶して話を聞く。どうやら昨夜からキャンプして朝から釣っていたらしい。上流は濁りが入ってダメ。昨日は埼玉ナンバーの車が停まっていたとのこと。人気渓流の禁漁前最後の連休というのはこういうものだ。魚より人の方が多い。
 
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 結局釣りはあきらめて、今日の宿西木のクリオンを目指す。ナビで3時間半かかると言っている。知らない道をウネウネと走りながら周囲の景色を楽しむ。これはこれで面白い。多分、二度と走らない道なので、いろいろな発見がある。高速道路や幹線道路にはない楽しみがある。土地の生活を感じられる軒先の風情がいい。
 クリオンに着いたのが3時。釣りに向かう二人を送って一人でチェックイン。温泉でゆっくり汗を流す。土砂降りの雨になったので心配したのだが、二人が釣っている場所はさほど降らなかったようだ。夕食には二人が釣ったイワナが山盛りの塩焼きで出た。
 クリオンには高橋さんが来てくれた。一本一万円するというお酒を差し入れてくれた。四人で大いに食べ、飲んで盛り上がる。来年の6月にイベントが予定されているので、来年もここで会おうと約束した。
 
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 三日目がメインイベントで、どうしても行きたかった沢に行く。沢の入り口で下ろしてもらい、ここからは一人で入渓する。6月に来た時には中流に入った。今回は下流に入る。
 杉林を通り抜け、急斜面の木を伝って下る。最後は飛び降りて河原に立つ。さて、武者震いする瞬間が来た。竿を出し、新しい毛鉤をセットする。
 両岸が切り立ち、深い淵がある。差し込む光が暗い淵底を照らす。神秘的な光景だが、毛鉤釣りには厳しい相手だ。しばらく進むと轟音とともに川幅一杯の滝が現れた。美しい滝だ。堰堤とは違う天然の滝。両側にえぐれる深みにはどんな大物が潜んでいるのか…、毛鉤はとても届かない。
 高巻きをするとすぐにまた滝が現れ、大高巻きをする。踏み跡はない。細い木にぶら下がるように再入渓。今度は明るい平瀬が続く。ここで小さなヤマメが出た。イワナも出た。足元から太いイワナが走った。見上げると両岸に圧倒的な高さの巨木が並ぶ。サワグルミ、栃の木、カツラ、そして杉の巨木。なんという景色か。両側の急斜面はシダの群落。沢べりにはミズの群落。絵に描いたような渓流の姿がそこにあった。
 
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 深い瀬にしつこく毛鉤を打っていた。ギラリと光る反応に合わせるとズシリとした手応え。川幅いっぱいに暴れる魚を寄せれば、26センチの太ヤマメ。抱卵したメスだった。写真を撮ってリリースすると弾丸のように深みに消えた。いやあ、いい手応えでいいヤマメが釣れた。鼓動を静めるように深呼吸して改めて周囲を見渡す。
 黄色い木の葉がヒラヒラと舞い落ちてくる。高い木の天井から、どこからともなく舞ってくる。水音はやさしく、足元を流れる。上流の落ち込みに木の間から光が差している。あそこが次のポイントだ。まるで誘われるような景色の変化。
 誰もいない天国のような渓流で釣りをする幸せ。この最高の気分をどう表現したらいいだろうか。遡行しているだけで、まるで自分が映画の主人公なのではないかという錯覚すら覚える。こんな素晴らしい渓流があったのだ。
 
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 細くて深い急流があった。その脇の流れが巻く場所に毛鉤を打った。大きな手応えでかかったのは先ほどのヤマメより大きいヤマメ。寄せようとしたのだが、流れが急で、さらにそいつはその流れを矢のように下った。あっという間に竿が伸び、上げようとしたらふっと外れた。毛鉤を見るとフックが伸びていた。
 こういう奴がいるから楽しい。あいつは来年までいるはずだ。来年の楽しみにしよう。魚に負けることも釣りの醍醐味だ。
 
 渓畔林の美しい流れに毛鉤を振る。8寸級のイワナがぽつぽつ釣れる。深い釜の縁に定位していたイワナは深い水の中で尺イワナに見えた。しつこく毛鉤を流してやっと釣ったイワナを計ってみたら26センチだった。水の中ではイワナが大きく見えることがわかった。
 巨木の渓畔林が続く。なんて気分のいい渓流だろうか。今まで何百という渓流を釣ってきたが、この渓流が一番美しいと思う。
 
 今年は本当に良い釣りが出来た一年だった。春の釣りから大物が釣れ続いた。夏には念願の尺ヤマメを釣った。そして、この渓を発見した。
 充実した一年の釣りを最高の渓でふり返る。なんて贅沢なことだろうか。ここで釣りが出来たら、何匹釣ったとか関係ない。魚が反応してくれるだけでいい。来年もまた通いたい。
 
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 満足の釣りを終えて脱渓するために急斜面を登った。藪をかき分け、木を頼りに登っていたら、前方からガサガサという音がする。「熊か!?」と思ってギョッとした。じっと止まって、よく見たら人間だった。
 「ああ〜〜よかった、熊かと思った」と二人で言い合う。アケビを探していた地元のおじさんが、愛嬌のある顔をクシャクシャにして笑っていた。
 「釣れたけ?」「10くらい」「おらもだ、こっからへえっただぃ。魚は? 」「全部リリース」「ええ〜勿体ねぇ。ほんだらこれさ持ってけ…」と持っていたアケビを差し出す。遠慮したのだが、おじさんは「まだいくらでもあっから、ほれ、持ってけ」と立派なアケビを両手で渡してくれた。ありがとうと遠慮なくいただいて林道に上がって帰路に着く。
 
 約束の時間に回収してもらいクリオンに帰る。イナさんと加藤さんもそれなりに釣れたようだ。クリオンの温泉に浸かりながら三日間を回想する。いろいろあった三日間だった。
 なんと贅沢で豪華な三日間だったことか。期待・遡行・疲労・落胆・感激・驚き・感謝・ご馳走・銘酒・温泉・再生……釣りの全ての要素が詰まった三日間だった。
 加藤さんとイナさんに感謝。来年もこんな釣り旅ができますように。
 
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2016年9月12日 (月)

禁漁前の釣り

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 12日、禁漁前のホームリバーに釣りに行った。9月20日で禁漁になるので、その前に一度ホームリバーに行きたかった。
 今年は4度行くことが出来た。最初は26センチと28.5センチのヤマメを釣り、二回目は26センチのヤマメ。三回目に31センチのヤマメを釣り、今回は25センチのヤマメを釣った。不思議なくらい大きいヤマメが釣れたシーズンだった。
 
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 今日は25センチのヤマメとイワナ、他はチビイワナだけだったが、楽しい釣りだった。本流の最初の橋で三人に頭をはねられ、これはダメだと初めて支流に入った。それが良かったのかもしれないが、魚は出てくれた。
 それにしても4回この川に来たが、来る度にまったく違う渓相だった。川は生きているのだと実感した。前回尺ヤマメを釣ったポイントはきれいに消えていた。(泣)
 
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 渓流はもう秋。シオンが咲き、栃の実が落ちている。栃の実は熟す前の若い実がぼたぼたと落ちていた。今年の山の木の実は不作の年だと猟師さんに聞いたがどうやら本当のようだ。
 これでは熊も里に出て来るはずだ。困った事になりそうな気がする。
 
 気分転換の釣りも終わり、がんばって絵を描かなければならない。明日から忙しくなる。
 
 
 
 

2016年9月10日 (土)

ナスの佃煮

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 9月9日、小鹿野町の三島にナス佃煮の取材に行った。
 取材したのは丸山ヒデ子さん(76歳)だった。ヒデ子さんは合角(かっかく)の出身で、合角ダムの建設で下小鹿野に移転してきた人だった。
 JA婦人部の仕事をしていた関係で、夏になるとナスやキュウリを頂くことが多かった。その大量のナスやキュウリを美味しく食べるために佃煮を作りはじめたのだという。
 作った佃煮は煮沸したビンに詰めて知り合いに配って喜ばれている。
 
 ヒデ子さんの佃煮はナス10個を半分に切って120グラムの塩をすり込んでカメに三日間漬け込む事から始まる。水が出たナスを塩抜きのため、ひと晩水にさらして塩抜きをする。
 薄く刻んで水気をしっかりと絞る。それを醤油・みりん・砂糖・酢・酒で煮詰める。水気がなくなったら火を止めて、生姜の千切り・塩昆布・ちりめんじゃこ・ゴマを丁寧に混ぜる。冷めれば出来上がり。
 言葉で書くと簡単だが、味付けや混ぜる順番や温度など、ずっと作って来た人ならではの工夫が見られた。出来上がった佃煮は長く保存も出来る。甘辛い味の奥から生姜の香り、じゃこの歯ごたえ、ゴマの味が噛んでいるうちに出て来る。ご飯にこれがあれば満足という佃煮だった。これなら誰でも喜んでくれるはずだ。
 
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 ヒデ子さんは「えびし」作りの名人として新聞やテレビにも取り上げられ、有名な人だった。えびしは倉尾地方に伝わる郷土料理で、結婚式のお膳に欠かせない料理だった。今では作る人も少なくなり、食べる機会もなくなっている。
 ヒデ子さんが婦人部の会合などに作って持ち込むとみんな喜んでくれるという。
 えびし以外でも様々な料理を工夫するのが好きだというヒデ子さん。苦労してきた人生だったが、今が一番幸せで怖いくらいだと笑っていた。
 
 ヒデ子さんの取材で第五巻の34人目が終わった。絵を描き上げればあと一人で35人となり、山里の記憶第五巻の作成に入ることが出来る。
 さて、もうひと頑張りだ。
 
 
 
 

2016年9月 9日 (金)

絵を届けに行く

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 9月9日、両神の煤川に絵を届けに行った。
 絵を届けたのは黒沢七五三男(しめお)さんと和子さんのご夫妻だった。最近の大雨であちこちで土砂が出たようで、道のあちらこちらに土砂を片付けた跡があった。
 特に県道から煤川に登る道の周辺が荒れていた。ユンボが沢の土砂を片付けている途中の所もあり、土砂の上を車で走るのに気を使った。
 急斜面に作られている畑の土もずいぶん流されたと思う。不規則な豪雨が増えている昨今、奥山の農業も大変な被害をこうむっているのだと実感した。
 
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 お二人は絵をとても喜んでくれた。本が出来上がるのが楽しみだと言ってくれた。期待に応えられるように良い本を作らなければならない。
 
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 昼は小鹿野町の「たじま」で店主の友人と釣りの話などしながら鰻重をいただく。
 今回は、山里の記憶1〜4の注文をもらったので、それを届けに行ったついでにお昼にしたもの。
 この店のうなぎは店の駐車場脇にある井戸水で泳いでいる。この駐車場の地下35メートルからわき出す鉱泉(秩父ではたまご水という)を少し加えて臭みを取っている。いわば温泉鰻だと店主は言う。「味の違いがわからないかい?」と言われたが、鰻はここでしか食べないので比べようがない。味の違いがあるかどうかは気持ちの問題だろう。
 
 柔らかくて旨いのはわかっていたが、温泉鰻だとは知らなかった。
 
 
 
 

2016年9月 2日 (金)

秩父いんげんと落花生よごしをアップ

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 ホームページの山里の記憶コーナーに「秩父いんげん」「落花生よごし」をアップした。
 
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 この取材で行ったのは煤川という耕地だった。すすがわと呼ぶらしいが地元では「すすが」で通っている。県道から百メートルほど山の中に登った場所にある耕地で、以前から行ってみたかった場所だった。
 なぜ、こんな山の中腹に集落が存在するのか。水はどうしているのか。ここに住んでいる人はどんな人で、どんな暮らしをしてきたのか。なぜ、全戸が黒沢姓なのか。
 解明された謎もあり、解明されなかった謎もあり、新しい謎も出て興味深い取材になった。
 黒沢七五三男(しめお)さんから秩父いんげんの話を聞き、奥さんの和子さんに落花生よごしを作っていただいた。取材した日が8月16日で、ちょうど送り盆の日だった。送り盆の日にだけ作るという、珍しい「ねじっこ」という料理もご馳走になった。
 おいしいいんげん料理を食べ、お土産にいんげんを頂いて帰ってきた。
 
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 初めて伺った場所だったが、外から見て考えていた特殊な場所ではなく、普通に普通の暮らしがある場所だった。昔から人は住める場所に営々と生きて来た。人が住んでいる場所は必ず人が暮らす意味があり、そこに営々と歴史が刻まれている。
 すすが耕地の昔話は身を粉にして働いて来た人々の歴史そのものだった。あさっぱか(早朝の仕事)からよおっぱか(夕方の仕事)まで働き、さらに夜なべ仕事があった。みんな同じだった。江戸時代から、つい50年前までずっと同じだった。
 人々は食べるために、ひたすら働いた。
 
 便利になって、何でも手に入るようになって、何でも食べられるようになったのは、ほんの何十年か前からのことだ。これを当たり前と思わない方がいい。
 昔ながらの耕地の佇まいを見て、そんな事を再認識した。
 
 
 
 
 

2016年8月17日 (水)

秩父いんげんの取材

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 台風が迫っている16日、両神の煤川(すすがわ)に秩父いんげんの取材に行った。
 煤川という耕地はとても変わった場所にある。川沿いの県道から曲がりくねった道を山の上まで走ると神社があり、その周辺に何軒もの家が重なり合うように斜面に建っている。
 こんな山の中腹に大きな集落がある事が不思議でならなかった。
 
 この耕地の人々は急斜面の畑で昔からいんげんを栽培し出荷してきた。耕地で霧がかかることの多いこの場所のいんげんはとても柔らかく品質の良いものだった。
 取材したのは黒沢七五三男(しめお)さん(86歳)だった。3年前までは大量にいんげんを出荷していたのだが、今は自宅用に栽培していて、食べきれない分を出荷している。
 
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 ご自宅の居間で冷たい麦茶を頂きながら、いんげんの栽培についての話を聞く。選別の器具や伝票などを見ながらいろいろな話を聞く。話が一段落して畑に向かう。
 家の近くに畑があり、急斜面に沿うようにトンネルが作られていた。毎日葉を取り、実を収穫している。一日でも休むと適正な大きさのいんげんを超えてしまう。86歳でも足腰は確かなもので、畑を登る足取りにも乱れはない。
 
 今朝採ったいんげんを使って奥さんの和子さん(86歳)が落花生よごしを作ってくれることになった。ごまよごしというのは良くあるのだが、落花生よごしというのは初めてだったので、早速取材させてもらった。
 ごまよごしというのはゴマ和えのこと。自宅で栽培した落花生を乾燥させ、ゆっくりとフライパンで焙煎し、保管しておいたものを使う。落花生の皮を手でむき、すり鉢に入れる。すりこぎで全体を叩いてつぶしてからする。粘りが出るまでよくすってから、味噌と砂糖・醤油を加え、茹でたいんげんをからめる。
 
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 取材した日が16日ということで、送り盆用の「ねじっこ」を食べていかないか、という事になった。いんげんの落花生よごしやきゅうりの浅漬け、赤飯、味噌汁という豪華な昼食を頂いた。「田舎料理なんで口に合うかどうか? 」と和子さんが言うが、こんな豪華な食事はない。ねじっこはまったりと口にふくらみ、いんげんはピーナツバターで和えたかのよう。
 美味しくて豪華な昼食に大満足。
 なりゆきから「秩父インゲン」と「落花生よごし」の取材を一日で出来た。とても収穫の多い一日だった。
 
 
 
 
 

2016年8月13日 (土)

シロギスが来た

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 12日の午後、爽やかな笑顔でJICKYさんがシロギスを持って来た。朝から東京湾でシロギス釣りをして40尾ほど釣ったらしい。そのお裾分けで12尾の新鮮なシロギスを頂いた。
 さっそく調理にかかるのだが、その前に魚専用の包丁を研ぐ。包丁の切っ先が切れないと上手く捌けないからだ。30分ほど切っ先中心に丁寧に研ぐ。
 
 シロギスが新鮮なので、まったく身崩れしない。よく切れる包丁で鱗を落とし、8尾を松葉に、4尾を三枚におろす。作業はまな板の上に新聞紙を広げ、終わったら新聞紙をそのまま丸めて捨てる。こうするとまな板が汚れない。中骨と卵を別に取り分けておく。
 
 三枚に下ろした片身の皮を引き、縦に身を引いて糸造りのお刺身にする。盛りつけた状態で冷蔵庫に入れる。梅干しの梅肉を2個よく包丁で叩き、ポン酢に溶いた浸けタレを作り、これも冷蔵庫へ入れて冷やす。
 
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 松葉に開いたシロギスは今回ピカタにした。天ぷらよりも簡単で後処理が楽だからだ。小麦粉と卵を溶いたものにみじん切りの大葉と人参を入れて混ぜ、彩りにする。味付けは塩コショウだけ。
 フライパンに油をしき、4枚ずつ二回焼いた。フワッとふくらむ衣にオレンジと緑の彩りが花を添える。残ったフライパンの油で中骨を揚げる。じっくりきつね色に揚げた中骨は骨せんべいとなりビールのつまみになる。
 卵は小鍋で、醤油・みりん・砂糖・バルサミコ酢を加えて煮詰める。これも旨いつまみになった。
 
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 オリンピックのニュースを見ながらシロギス三昧の夕食。ビールでのどを潤し、骨せんべいやピカタを食べる。梅ポン酢で食べる刺身は、ハモの落としを思わせる爽やかな夏の味だった。
 思いがけず豪華な夕食になった。JICKYさんに感謝。
 
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2016年8月12日 (金)

絵を届ける

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 11日、秩父に絵を届けに行った。
 午前中に伺ったのは下小鹿野の浅見しげさん宅。絵を渡すととても喜んでくれた。お茶を頂きながらツバメの話や猫の話、新しく書いた書の話などで二時間ほど過ごした。
 車にひかれて亡くなった猫の事を随筆に書こうという話にも驚かされた。本当に前向きな人生を生きている人だと改めて感じた。
 
 昼の時間は小鹿野の割烹「たじま」で同級生の店主と釣りの話などしながら、美味しい鰻重を食べた。丑の日に食べられなかった「たじま」のうなぎ。この鰻重は、東京で食べるどの店の鰻重より旨い。午後の約束の時間まで「たじま」で過ごす。
 
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 午後1時の約束時間に両神・塩沢の坂本好房さん宅に伺う。好房さんはお盆の施餓鬼を終えて自宅に帰ってきたところだった。
 お茶を頂きながら、絵を渡す。好房さんは文章もじっくり読んでくれ、満面の笑みで喜びを伝えてくれた。
 
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 奥さんが手製の刺身コンニャクを出してくれた。甘酢タレを浸けて食べたらツルリとのどを通る夏の味だった。柚子の香りがいいなあと思って聞いたら、青柚子を冷凍しておいて凍らせた状態で皮を削るのだとのこと。柚子のそういう使い方があるのかとビックリしていたら、「こんなのもあるんよ」と出してくれたのが甘柚子シャーベットだった。
 完熟した柚子の皮を砂糖とまぶした甘柚子を凍らせたもの。これを少しずつ削ってシャリシャリした状態で食べるものだった。
 シャーベット状の甘い柚子。柚子の香りが口いっぱいに広がる夏の味。外は真夏の暑さ。何とも言えない爽やかな味だった。また、珍しい味に出会えた。
 
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 暑い一日だった。車の温度はどんどん上がり、冷房をつけているのだが、頭上から熱気が押し寄せる。紫外線で目をやられるし、真夏のドライブは体に悪い。
 一日走っていたら疲れ切ってしまった。
 
 
 
 
 

2016年8月10日 (水)

味噌汁をアップ

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 ホームページの山里の記憶コーナーに「味噌汁」をアップした。
 この取材で驚かされたのは、しげさんが98歳という年齢にかかわらず、普通に生活している姿だった。元気に長生きするというのは誰しも思い願うことだが、誰にでも出来る事ではない。本当に、願わくばこうありたいと思う人生だ。
 
 98歳でいまだに現役で、味噌を作り、梅干しを作り、新聞を読み、俳句を作り、書を書く。そして、どこも悪くないと医者が太鼓判を押す健康体。なんという人生だろうか……。全ての人の希望となる人生。すばらしいことだ。
 
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 「粗食と運動が長生きの秘訣だね…」という言葉が聞かれた。また、「あたしの体は味噌で出来てるんだぃね…」と冗談めかして話してくれた。
 大量の味噌を作り、それを食べて生きる。日々の暮らしの中に自然に自分の味噌が浸透している。そんな自然体の暮らしが素晴らしい。
 やさしい味の味噌汁は煮干しで出汁を取る。薄味で何杯でも食べられる味噌汁だった。同時に作ってくれたカボチャの煮物もホクホクと美味しかった。
 
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 山里の記憶を取材していると、お店で売られていない美味に巡り会うことが多い。昔ながらの味がそれぞれの家に伝えられ、守られているからだ。そんな味に出会う事が楽しみの一つでもある。なんだかすごく贅沢な事をしているように思う事がある。
 取材をし、絵を描く。それぞれに大変な作業ではあるのだが、発見の喜びや美味しさとの巡り会いがそれを上回る。
 
 
 
 
 

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